VISION 2036

2036年、街の全体が見えている。
だから、この街のことは、この街で決められている。

誰が何をしているかが見え、どこに届いていないかが分かり、何が効いたかが確かめられる。 見えるから、次の一手を自分たちで選べる。 その状態を、日本全国の街と町でつくる。私たちが10年かけて向かう先です。

そのために私たちは、データ利活用とAI利活用で全国の最先端を走ります。

なぜ、2036年なのか

10年は、街が変わるのにちょうどよい長さです。短すぎると仕組みが根づかず、長すぎると誰も自分ごとにできません。

いま小学生の子どもたちは、2036年に社会へ出ます。いま人口減少への手を打つかどうかの結果が、はっきり数字に表れるのもその頃です。 今日決めたことの答え合わせができる年として、私たちは2036年を置きました。

そして10年後に「あのとき始めておいてよかった」と言えるためには、今すぐ始める必要があります。

2036年、こうなっていてほしい

大きな言葉ではなく、その日の暮らしがどう変わっているかで書きました。

街全体

街の姿が、一枚で見えている

どこで何が行われ、どこに人が集まり、どこに手が届いていないのか。行政のデータと民間のデータが結び合って、街のいまが一枚の絵になっている。住民も職員も事業者も、同じ絵を見ながら話せる。この一枚があることが、すべての出発点です。

住民

「知らなかった」で、参加を逃さない

地域で何が行われているかが、探さなくても目に入る。子育て中の人には子育ての、移住してきた人には最初の一歩になる集まりが届く。予定が埋まり、顔見知りが増えていく。

行政

打った手が、効いたかどうか分かる

どの取り組みに人が集まり、どこに届いていないかが数字で見える。勘や前例ではなく、根拠をもって次の一手を選べる。議会にも住民にも、同じ材料で説明できる。

地域の担い手

立場の違いで、情報が分断されない

自治体も、企業も、団体も、同じ場所に情報を持ち寄る。持ち寄れば、自分たちも他の情報を使える。小さな団体の取り組みが埋もれずに届く。

街と街

ひとつの街の工夫が、他の街でも使える

ある街で見つかったうまいやり方が、その街だけで終わらない。仕組みが公開されていて、別の街がすぐ試せる。全国の街が、それぞれの答えを持ち寄れる。

そこへ向かう、4つの筋道

遠い理想を掲げるだけでは届きません。いま手がけている事業が、そのままこの4本につながっています。

情報を、一本にする

住民に届くはずの情報が、部署ごと・団体ごとに分かれたまま埋もれています。まずイベント情報を軸に、散らばった発信を一本にまとめます。主催者が一度登録すれば関係するサイトが同時に更新され、住民は一か所で探せる。発信の手間を減らしながら、届く量を増やします。

いま取り組んでいること

データを、持ち寄れるようにする

行政がデータを公開しても、それだけでは使われません。民間のデータと掛け合わされて、はじめて事業や政策の判断材料になります。官民が対等に持ち寄れる場所をつくり、表記の違いを吸収して結び直す。集まるほどに、街の判断材料が厚くなっていきます。

いま取り組んでいること

AIで、使える形にして届ける

データは、集めただけでは誰も読みません。聞けば答える、話せば記録が残る、探さなくても届く。その最後の一区間をAIが担います。私たちは音声AIやMCPによる情報配信を12件以上、実際に稼働させながら並行検証しています。最先端は、論じるものではなく動かして確かめるものだと考えています。

いま取り組んでいること

現場が、続けられるようにする

どれだけ良い仕組みも、担当者が疲れ果てては続きません。日々の業務が回り、時間の使い方が見え、改善が積み上がる状態を先につくります。地味ですが、10年続けるにはここが要ります。

いま取り組んでいること

見ているのは、日本全国の街と町です

私たちが向き合っているのは、鳥取だけの課題ではありません。人口が減り、担い手が足りず、限られた体制で地域を支える。 これは、日本中のほとんどの自治体がこれから通る道です。

その全国の課題に対して、鳥取は最も早くその条件に置かれている場所です。 人口が最も少ない県で、最新のデータ利活用とAI利活用が街の判断に効くことを先に立証する。 私たちは鳥取をそのモデルケースとして位置づけ、結果を全国へ手渡していきます。

最先端の技術は、体力のある都市部の大企業だけのものではありません。 むしろ人手が足りない場所でこそ、効き方が大きい。 それを地方から示すことが、全国に対していちばん意味のある貢献だと考えています。

条件

最も厳しい条件が、先に揃っている

人口最少県。人手も予算も限られ、担当者は複数の業務を兼務しています。潤沢な体制を前提にした仕組みは、ここでは動きません。

立証すること

最先端のデータ利活用・AI利活用が、この条件でこそ効く

行政と民間のデータを持ち寄り、AIで使える形に整え、住民への周知と政策の判断に活かせること。人手が足りない場所ほど、最新の技術が効きます。それを実際の運用で確かめます。

手渡すもの

同じ課題に向かう街が、そのまま使える形

仕組みそのものと、進め方の手順、うまくいかなかったことも含めて公開します。他の都道府県・自治体が一から試さずに済むようにします。

立証したものは、抱え込まずに公開します。OpenData Bridge のソースコードを オープンソースで公開しているのも同じ理由です。ひとつの街で見つかった答えが、同じ課題に向かう街にそのまま渡るようにしておくことが、 全国を目線に置くということだと考えています。

10年を、3つの区切りで進みます

向かう先は決まっています。 町の全体を、一枚で俯瞰できる状態 です。どこに人が集まり、どこが手薄で、打った手が何に効いたのか。 部署や組織で分かれたままでは、その全体像は誰にも見えません。

その土台になるのが、官民が対等にデータを持ち寄れる オープンデータ管理システムです。持ち寄られた情報が名寄せされて結び合うことで、はじめて町が一枚の絵になります。 3つの区切りは、そこへ至る階段として置きました。

区切りごとに 「ここまで来たと言える条件」 を先に書いておきます。

  1. 2026 → 2028第1期・材料を集める

    まず鳥取で、情報が集まる場所をつくる

    この区切りの到達点:俯瞰の材料が、一か所に集まりはじめている

    俯瞰したくても、材料が部署ごと・団体ごとに散らばっていては始まりません。最初の3年は広げず、人口最少県という最も厳しい条件で、オープンデータ管理システムに情報が実際に持ち寄られ続けるかを確かめます。導入した数ではなく、使われ続けたかどうかで判断します。使われなかったものは、正直に畳みます。

    ここまで来たと言える条件

    • 自治体と民間の双方が、オープンデータ管理システムに継続してデータを載せている
    • イベント情報の一本化が鳥取で実運用に乗り、主催者が繰り返し登録している
    • 並行検証中の音声AI・MCP配信のうち、実業務で使われ続けるものを見極めている
    • 導入先の現場が、私たちの手を借りずに日常の登録・更新を回せている
  2. 2029 → 2032第2期・一枚の絵にする

    集まった情報を結び直し、町の全体像を映す

    この区切りの到達点:持ち寄られた情報が結び合い、町の姿が一枚で見えている

    集まっただけでは、まだ俯瞰ではありません。表記の違いを吸収して名寄せし、行政のデータと民間のデータを掛け合わせて、はじめて町がひとつの絵になります。同時に、その仕組みを他の街が一から試さずに済む形にして渡します。私たちが出向かなければ始められないなら、全国に手渡したことにはなりません。

    ここまで来たと言える条件

    • 行政データと民間データを結合した、町全体を見渡せる画面が実運用で使われている
    • 施策や催しの結果が、地区・世代などの単位で見比べられている
    • 鳥取県外の自治体で、同じ仕組みが実運用に乗っている
    • 導入の手順書と、うまくいかなかった事例が公開されている
    • 私たちが関与しないまま始まった導入が生まれている
  3. 2033 → 2036第3期・判断に使われる

    見えることを当たり前にして、私たちは前に出ない

    この区切りの到達点:俯瞰した全体像が、次の一手を決める材料になっている

    見えるようになっても、判断に使われなければ意味がありません。全体像を見たうえで次の一手が決まり、その結果がまたデータとして戻ってくる。この循環が街の日常に埋まり、私たちの名前が表に出なくても回っている状態を目指します。ここまで来て、はじめて冒頭の情景と地続きになります。

    ここまで来たと言える条件

    • 行政が、町の全体像を見たうえで次の一手を決め、その根拠を住民に同じ画面で説明している
    • 住民が、探しに行かなくても地域の情報が届くと感じている
    • 自治体も企業も団体も、同じ場所に情報を持ち寄ることが習慣になっている
    • 街をまたいで全体像を見比べ、他の街の打ち手を参考にできている
    • 特定の会社に依存せず、街の仕組みとして続けられる形になっている

区切りごとに、達成できたことと、できなかったこと を公開します。10年の話を掲げる以上、途中で答え合わせができない書き方はしないでおきます。

引き受けること、引き受けないこと

10年の話をするからこそ、できないことを先に申し上げておきます。

引き受けること

  • 最新のデータ利活用・AI利活用を、実際に動かして確かめ続けること
  • 現場の体制に合う範囲から始め、無理のない大きさで広げていくこと
  • 効果は個別に設計・測定し、根拠のある数字で共有すること
  • 仕組みをできるかぎり公開し、他の街が使える形で残していくこと
  • 住民・職員・事業者、それぞれの立場から見た使いやすさを確かめること
  • 10年かけて向き合うつもりで、腰を据えてご一緒すること

引き受けないこと

  • 導入すればすべてが解決する、という言い方はしません
  • 根拠のない数値や、他社事例の数字を自社の実績として示すことはしません
  • 使われる見込みのない機能を、多機能であることを理由にお勧めすることはしません
  • 一度に全部を入れ替える進め方は、原則としてお勧めしません

街の未来は、
そこに住む人が決めるものです。

私たちがつくるのは、街の全体が見える状態と、決めたことを動かす仕組みです。 見えるようにするところまでが私たちの仕事で、見えたうえで何を選ぶかは、その街の人が決めます。

2036年にこの文章を読み返したとき、書いてあることが当たり前になっていてほしい。 そのために、いまご一緒できる街と組織を探しています。